2015年8月の句
海
砂浜にLOVEと書きし日夏の海
いしだ
砂浜に何かを書くのは夏だけではないが、青い海、照り付ける太陽の下で開放的なのは夏の海で若者には恋の季節でもある。歌謡にも、真赤に燃える太陽などあり、それらの思いも込めて青春の日の句かも。
今はもう泳げぬ我や海開き
あべ
夏を迎えると山や海開きがあり、神事の後入山や泳ぎが始まる。この詠は何処の海開きだろうか、若い頃は泳ぎも達者であったが、もう老いて泳ぎも出来なくなった。それでも海開きを見て昔の自分を懐かしむ、私も里の海が懐かしい句です。
玫瑰や長者ヶ浜の潮汲み場
ゆたか
現代は男女の仲も開放的で浜辺にこうした景もよく見掛けるがこれも夏の太陽の下で明るくて良いかも。日本は大和撫子など言われた時代から随分変わったとも思う句です。
恋人のオイル塗り合ふ夏の海
ヒロ
飽食の時代になり女性も男性もダイエットに苦心しますが、戦後の食料難を思えば幸せかも。心太の成分は殆どが水なので最近はこれを使った食品も多い。面白い句です。
水着買ふ着るなと言われ夏終わる
すみれ
水着は今ではフアッションの一つで毎年変わり女性は着てみたい物の一つだが、これも年齢に合う物が良いかも。余りに露出なのはそれなりのプロポーションも要する。家族等に似合わぬと反対されたのか、その内に夏も終わってしまった。面白い俳諧の句です。
八重山の紺碧遥か夏の旅
鬼
八重山諸島は石垣島、竹富島、西表島など十余の諸島で、竹富島の安里屋ユンタの唄、由布の水牛など観光の島でもある、また珊醐礁の海は遥か迄碧く夏の旅に相応しい句です。
幼な日や鹿島の海に初泳ぎ
おの
昔の子供の頃は近くの川や海での遊びの中で泳ぎも覚えたので大方の子は何時の間にか泳げた。作者もこの鹿島の何処かの浜で遊び泳げる様になったのか。老いた今も鹿島灘を懐かしみ子の日を偲ぶ句です。
様々のパラソルの花夏の海
しま
海水浴場は水着もカラフルな物が多い時代で楽しいが、日除けのパラソルも浜に花が咲いた様で綺麗である。これを少し遠くから眺めると、青い海空の雲などと合わさって更に美しい夏の浜の景の句でもある。
満天に星の映えゐる夏の海
シズ
星の輝くのは秋や冬だが、夏の海も暮れて浜辺に仰ぐ星空も趣きがあります。ことに鹿島灘や犬吠崎の沖などに見る星は往く船も無く昼の賑やかさに比べて淋しさも思う句です。