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俳句集

2021年 6月の句

あやめ

選者 桐本石見

亡き妻をあやめに偲ぶ小庭かな

ラク

花は大方は女性に例えられ、立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花、などの謂れもありますが、あやめの花にも古風な優しい女性を想います。庭のあやめの花を眺めながら若き日の妻を偲ぶ切々ながらも少しの艶冶を込めた句です。

楚々とさくあやめの花の潮来かな

くま

潮来のあやめ園は昭和二十七年頃から始まり今では五百種百万株もあると言う、あやめは花びらの付け根に綾目があるのでこの名があるが、大方は紫系の楚々とした花。「潮来出島の真菰の中にあやめ咲くとはしほらしや」光圀公の歌を思う句。

ほととぎす色となりゐる筑波嶺

ゆたか

残雪の日高は眩し赦免門

ゆたか

筑波山は関東の歌会の山として古来から名高い。初春の頃はまだ芽吹きも揃わないが、時鳥の渡来する頃には山頂まで若葉若葉に彩る。山裾は梨、栗、柿などの果樹園の緑も美しい初夏を彷彿する句。

花あやめ嫁入り舟の潮来かな

しま

潮来は十六洲とも言われ昭和三十年頃まではサッパ舟で嫁入りもした、映画や歌謡の潮来花嫁さんも大ヒットしたが廃れた。昭和六十年頃観光を兼ねて復活し今の賑わいとなった。老いには昔を偲び、若きには記念の嫁入り舟でもある。

孫六人 祖母の勧めの菖蒲湯へ

えいちゃん

端午の節句に菖蒲湯に入るのは室町時代からあると言われ邪気を払い心身を清める。殊に昔は戦の勝負に掛けて男子の成育を祈念した。孫六人も祖母の心尽くしの菖蒲湯に入ったのか、微笑ましい句。

雨後の つゆに濡れゐるあやめかな

みく

花は晴天の日も鮮やかで美しいが曇りや雨に咲くのもまた艶冶で美しい。ことに雨のつゆに濡れた菖蒲や花あやめはしとやかな女性を彷彿する句。「俤のそこに佇つまで花あやめ」石見

あやめ咲く北浦尋ぬ日和かな

オノ

北浦は昔は流れ海とも言われ鉾田から潮来の浪逆浦、霞ヶ浦につながる。以前は帆引き船などが漁をして寂びた景でもあった、今は白鳥の飛来地で子供にも人気の所、あやめの花を尋ねるのも旅を思う句。「継ぎはぎの帆曳きの寂びも湖の秋」石見

黄昏は丘より来たりホトトギス

アベ

日本は海と山国だがこの鹿島、潮来や利根川沿いの町は丘陵が多く柔らかな如何にも水郷と思えるし暮れもその丘から静かに暮れ染める。時鳥は夕べも鳴くのでややけたたましい声に夕べのを憩う句。

道々にコロナ禍忘るホトトギス

一郎

昨年から伝染したコロナ禍は未だ治まらずマスクの毎日もうっとうしい。それでも山近くを散歩すると小鳥の声、また夏を告げる時鳥の声にコロナ禍も忘れ癒される。また一句でも浮べば幸せと思う句。

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