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俳句集

2021年 5月の句

ほととぎす

選者 桐本石見

静けさの朝の前山ほととぎす

れいこ

日本は南北に長く桜の咲くに遅速はあるが時鳥(ほととぎす)は歌謡にもある様に、卯の花の頃渡来し少しけたたましい声で鳴く。万葉集にも百五十余首も詠まれていて、古来から初夏を告げ田植の知らせともされた。静かな前山の朝を破る時鳥の声も清々しい朝を思う句。

ほととぎす農夫の鍬を休ませぬ

ラク

今は耕耘機の時代だが、まだ鍬仕事もある。ことに山家の門畑などでは鍬を使う、初夏の日和に時鳥の声が聞こえ、鍬を休めて聞き入る。如何にも田舎の景を彷彿する句で、私も故郷が懐かしい。

ほととぎす色となりゐる筑波嶺

ゆたか

筑波山は関東の歌会の山として古来から名高い。初春の頃はまだ芽吹きも揃わないが、時鳥の渡来する頃には山頂まで若葉若葉に彩る。山裾は梨、栗、柿などの果樹園の緑も美しい初夏を彷彿する句。

姥捨ての山深く聞くほととぎす

ゆーみん

姥捨山は千曲市筑北村にあり、標高千二百五十余メートルで田毎の月も名高い。また伝説の「灰の縄」「蟻の糸通し」や楢山節考など老いの生き方を痛感する。時鳥の声も叫び声に聞える句で、現代の老人問題も思う。

森静か雨の晴間のほととぎす

アベ

鹿島神宮の森かも。雨が止んで晴間も見えるので、散歩に出掛ける。静かな森の道に時鳥が聞える。声は森の木々に木霊す様でもあり、如何にも初夏を思う句。

磯馴松一喜一憂ほととぎす

タイチ

磯馴松(そなれまつ)は海風になびき形を色々変えた松で、大きな松の盆栽など思うし磯の岩の景に似合う。その松の姿を一喜一憂と言うのも面白いし、時鳥の声もまた激情を誘う句。

巣作りをせずに楽する時鳥

ヒロ

ほととぎす鴬の巣に子を預け

イサ

時鳥は託卵と言う習性があり、鶯の巣に卵を生み孵(かえ)して貰う。現代の人間社会にも赤ちゃんポストなどあり、親子の絆愛情など思う句でもあります。

ほととぎす近き鳴き声耳にし

オノ

時鳥の鳴き方には、本尊掛けたか、特許許可局、など人により時代により異なる。朝も夜も鳴くが、近くで聞くと耳に滲みる程けたたましい。しかし夏の到来を知る句。

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