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俳句集

2018年2月の句

寒椿

選者 桐本石見

山の駅乗客ほどの寒椿

あべ

寒椿は山茶花に似た椿で寒中に咲くのでこの名があり、俳句では藪椿など冬に早咲きする椿も冬椿と言う。山国の旅をすると駅の近くの山や家の庭に四季の花が咲いて旅情を添えるが、山の駅で乗客ほどの寒椿の数と言うのもほつほつ咲く寒椿の形を表わして心和む句。

寒椿心の晴れし今朝の庭

なん

人は言葉や風景などでも心和むが、花もまた安らぎを与えてくれる。冬の花の少ない時に朝の庭に咲いた紅の一輪はもやもやした心も晴らしてくれるし、花を愛せば花からも恵を授かる、その人も優しい人と思います。

二人して歩きし道の寒椿

かこ

椿は安房や伊豆の海岸が名高いが、この詠は何処の道だろうか?恋人岬なども想いますが、寒椿に昔の思い出を偲び少しの哀れとロマンを誘う句です。また伊豆は私にも「伊豆は山中乙女の声の藪椿」があり、懐かしい。

庭先にたった一輪寒椿

れいこ

花は公園の花壇や桜並木の様に多く咲くのも美しいが、咲き始めの一輪や葉隠れの一つも可憐で美しい。また花には女性を連想して多くの歌謡や和歌が詠われる。それらを思う艶冶を秘めた句です。

寒椿どこぞ似てゐる亡き母に

まこ

古来から「立てば芍薬座れば牡丹歩く姿は百合の花」がありますが、また向日葵には元気な青年、水仙には伶人など想う。若い頃の母は子供から見ても若く綺麗な母で在ったのだろう、寒中の椿も少しの哀れを込めて美しい句。

朝靄の中に見つけし寒椿

ひろ

この鹿島潮来の水郷地帯は川や湖沼が多く、温度変化で風や靄(もや)が発生し易いし、鹿島灘は親潮黒潮の合流で海霧も多い。そうした靄の朝に見る寒椿は格別に美しく、芭蕉の「象潟や雨に施西が合歓の花」を想う句です。

寒椿咲ひて小雪の薄化粧

しげ

今年は北陸地方は大雪で難儀だが、この鹿島にも少しの雪が降った、その中に咲く椿は女性の薄化粧を思わせて艶冶を誘う美しい句です。

寒椿一つ葉隠れ恋心

ビート

色は黄は明るく、白は清純、紅は情熱、紫は恋などを思い、また多く咲くより葉蔭に一つ咲く花に心惹かれます。それは多くの中から見つけた恋人の様な思いでもあります。

花びらにそっと触るるや寒椿

みく

子供は綺麗な花にはすぐ触れるが、大人でも寒中に咲く花は愛しく思はず触れて見たくなる。花によりざらつくのや人肌の様なのや匂いのあるのもある。少しの艶冶を誘う句です。

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