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俳句集

2017年1月の句

初詣

選者 桐本石見

初詣腕組み詣づ老夫婦

しげ

初詣は新年に初めて寺社へ詣でて、祈願や昨年に叶った事へのお礼のお参りでもあります。今の様になったのは明治の頃からだと言われ、汽車や交通の発達により、有名な寺社では何百万人の参拝客で賑わう。老夫婦の腕を組みながらの参拝は若い方よりも格別に微笑ましく、家庭の温もりも思う句です。

初詣家族と行かむもう一度

まこ

今ある人生は生きて来た結果で様々でありますが、幸せに思うのは平凡ながら家族和やかなのが一番良いかも知れない。今も何処かで戦争があり、近年は地震、豪雨、火事などの被災も多い。そうした諸々の思いの中でも家族は暖かい。もう一度初詣に揃って行きたいと願う切々の句です。

初太鼓木々の木霊の息栖杜

ゆたか

太鼓は縄文時代からあると言われ、情報通信などから楽器として改良された。長胴、桶胴、附締(しめつけ)太鼓などに区別され、神社の祭礼儀式、神楽、歌舞伎などに用いる。この詠は息栖神社の新年の奉納太鼓で杉木立に響く鹿島灘太鼓は勇ましい。木々も木霊して神々しく思い新年に相応しい句です。私にも「鹿島灘太鼓や荒らぶ冬波も」があります。

初詣着物姿の惚れ直す

ひろ

着物は世界的にも通用する用語だそうで、和服は明治になり洋服に対した言葉とも。また今の着物の原型は平安時代の小袖からで、生地も紬や友禅など絢爛な物、また四季の花模様で可憐な物などあります。初詣などで着物姿の女性に遇うと改めて恋心も湧く、少しの艶冶を込めた句です。

健康を一つ願ひぬ初詣

おの

初詣の願い事は恋や受験、商売、仕事など諸々ですが、何より健康が第一、健康であれば願いも叶う。簡素な詠ながら実感の誰もが思う句です。

初詣もろもろ願う五円玉

こば

 寺社の賽銭は一般には百円以下が多いが、百円くらいでは多くの願い事は神様も引き受け難いかも。五円は御縁の意もあり、これも俳諧の句でありましょう。

人多きことも暖か初詣

くま

川崎大師、成田山新勝寺などは何百万人が詣でるが、それは日和も良く交通の良さもある、大勢の賑わいで暖かさや神仏への願い事も多い人の世を思う句です。

子の幸も合わせて願ふ悴む手

めい

初詣か、または手が悴(かじか)むほど寒い日の宮参りかも。自分の願いに合わせ子の幸も祈る、親子共に暮らしても子への思いは尽きないが別なら猶更、母親の切々の句です。

初詣遠くの家族思ひをり

みく

現代社会は出張転勤など家族離れて暮らすのが多いし、別の事情もある。以前に家族で初詣をした日など思い出しているのか、私も里の正月を懐かしむ句です。

星空や阿智村らしき年迎え

いるか

阿智村は長野県下伊奈郡の村で昼神温泉や星の綺麗な村で有名。私も尋ねて懐かしい。原句は少し変えましたが、これで新年の星空を迎える景の見える詠になります。

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