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俳句集

2016年12月の句

初霜

選者 桐本石見

吐く息と初霜庭の白の朝

しま

日本列島は南北に長いので時期は異なるが、関東では十月半ば頃には初霜になる。農家の被害も予想されるが、いよいよ冬を思います。吐く息も庭の霜も白く少しのユトリロの世界も思い、息に実感の句です。

朝霜のごとく消えゆき初恋も

ともゆき

初恋は人により年齢も大差がありますが、中学や高校生の頃が多い。時代により形は違うとしても、初恋は青春の大切な記念の一つ。霜には身の引き締まる思いがありますが、霜の日は晴天が多くすぐに溶ける。初恋も実らぬことが多く淡い思い出となる。切々とした句です。

母と子が手を擦りあふ霜の朝

こば

霜は晴天の日が多く、その朝は雪より寒い思いがします。また霜には、濃霜、はだれ霜、霜の花、青女、霜の声などの呼称があり、夫々に人生の思いにも繋がる。その霜の朝、親子が手を擦り合うのも微笑ましい 句です。 ※青女(せいじょ)=霜や雪をふらすという女神。転じて霜や雪

初霜の田畑踏みしも子の日かな

かこ

子供の頃は雪や霜、霜柱など踏んでみたくなるし、水溜りなども入りたくなる。田舎の通学時など畑や畦の霜を踏んだり、雪飛礫を投げ合ったりして通ったものです。今はバスなどの通学が多く故郷を思う懐かしい句です。

初霜を踏むや幾くたび我の悔ひ

ゆうこ

初霜にはいよいよ冬を迎える思いと、歳も老いの近いを感じるのがあります。今年も霜の時期になり残す月日も少なく省みる事が多い。何度も自分の人生を悔いる。しかし過去を棄て、今を生きるしかない。初霜の道を行きながらの回顧の句。

湯たんぽと猫の恋しい霜夜かな

あべ

子供の頃は外では犬、家では猫と遊び、寝るときは布団の中で共に寝て暖かい思い出がある、また電気行火(あんか)の無い頃は湯たんぽを使った。湯婆と書くのも頷ける気がする懐かしい句です。

初霜に朝の歓声通学路

みく

雪や霜の日は寒いが、子供達には珍しく、早く起きて庭などを歩いて見る。通学路の初霜に子供達の声も元気で明るく、時には歓声も聞こえる。小学校の頃の里が懐かしい句です。

山里の軒に干したる薩摩芋

アオ

薩摩芋は名の通り沖縄から薩摩に伝わり江戸時代に米の代用品として飢饉の飢えを救った。青木昆陽、井戸平左衛門などがその繁殖に尽くしたのも知られる。今でも田舎などでは大根、柿、薩摩芋などを軒に干す懐かしい句です。

産廃の山また山の草紅葉

ゆたか

 近代文明の問題の一つに塵があり、その処理の施設や労力に膨大な費用を要する。先の大地震での廃棄物は、まだ完全に処理出されず被災地で山となり草木も生えている。秋にそれらが紅葉しているのも哀れを誘う句です。

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