2020年1月の句
初景色
見慣れたる我が家潮騒初景色
一郎
初景色は元旦の朝に見る景色で、帰省すれば故郷、旅に在れば夫々の名所を見るわけだが、住み慣れた潮騒の我家が一番安らぐかも知れない。少しのペイソスを込めた俳諧の句です。
富士山や実家の窓の初景色
メーテル
万葉集にも「田子の浦ゆうち出て見れば真白にそ富士の高嶺に雪は降りける」山部赤人があり古来から日本の象徴の山。句の作者の実家は何処だろうか、大景の素晴しい初景色の句です。
大空にトンビの舞へる初景色
ユーミン
鳶や鷹は大空を舞いながら餌を探す、ゆっくりと高空を舞うのを仰ぐのは心も和む、この息栖の森にも棲み時々見掛けるが元旦の晴天に舞うのも良い縁起を思う句です。
悠々の坂東太郎初景色
ゆたか
坂東太郎は利根川のことで、谷川岳に源流を発し、三百キロメートルを流れて神栖、銚子市の太平洋に注ぐ。香取神宮の高台などからの眺めは悠々と静かな流れで太郎の名に相応しく大景の句です。因みに夏の雲の峰も坂東太郎と言います。
子ら集ふたんぽぽ食堂秋の昼
ゆたか
たんぽぽ食堂は家庭の事情で昼や夕ご飯を食べられない子などに食事と勉強の場所を提供するNPOで、今年十一月に鹿島市役所前に開店した。大人も格安で利用出来る。
青天や家族と見たい初景色
みく
日本では盆や正月に親族や家族が集まる習慣があり今でも車の渋滞が話題になりますが、核家族化した現代に一族の絆を深めるのは何よりの幸せ。私も遠くの郷を思う句です。
下津浜荒波よせる初景色
ヒロ
下津浜は鹿島神宮の東の太平洋にあり、夏は海水浴、冬もサーファーが多い。瀬戸内の様に島は無いが無限に広がる海と空の青さも清々しく、幾重の荒波もまた心を打つ。
初春の街を彩る晴れ着かな
レモン
どの国にも民族衣装がありますが、日本の着物も千余年の歴史の中で今の様になった、ことに女性の着物は色も柄も美しい。成人式など彷彿して明るい句です。
掛け声のよいしょほいさとお餅搗き
クドー
今では餅搗きも少なくなったが、搗き役と捏ね役が声を掛け合わせなががらの餅搗きは懐かしく故郷を思い出す句です。因みに餅は古墳時代からあり、心臓、神器の鏡など表す。
初景色ふと気の付けば手を合せ
マコ
初景色は元旦の景色だが、これは初日か富士山などかも、その荘厳威厳さに無意識に手を合わす、齢を重ねて人へは無論海や山おも慈しむしみじみした思いの句です。
湧き上るチャレンジ精神初景色
くま
初景色は何処だろうか、海には未来を山には挑戦を思うかも知れない、初日や明け方の星などにもロマンを思い今年のチャレンジの心が湧く、若く元気のある句です。