2019年1月の句
冬休み
冬休み家族揃ひてハワイアン
ヒロ
冬休みは主に学校の休みの事だが、今では年末年始を含め官公庁、会社の休みもいう。この期間は交通や観光地、神社、デパートなど多忙を極める職種もある。いわき市ハワイアンズは常磐炭田の不況対策に一九六六年に完成、幾多の困難と先の大地震を克服して年間百五十万人が訪れると言う。冬の中温泉やプールに遊ぶ明るい家族を彷彿する句です。
平成の最後を惜しむ冬休み
コバ
日本の年号は南北朝などで複雑だが、二四七で天皇は神武天皇以来百二十五代。今年五月には天皇と共に変わる。そう思うと一つの時代を生きてきた思いに感慨深い。思いは人夫々だが、昭和は戦争と復興、平成は災害を思う。冬休みの中の正月に平成への名残と新年号への期待のしみじみした句です。
冬休み部屋の主の引きこもり
ユタカ
現代の寂しい言葉の一つに引き籠りがあり、理由は夫々だが聞くに付けても頑張って勇気を出し生きて欲しいと思う。この詠のは普段多忙なので冬休みくらいは我が思いに過ごしたく引き籠る。俳諧の句ですが、年号も変わる今年に諸々の思いも募ります。
老い二人孫の顔待つ冬休み
ヒロ
歳を重ねての楽しみの一つは孫子に会うことで、遠路遥々帰省するのを待つのは嬉しい。孫はお年玉目当てかも知れないが、それも嬉しい、微笑ましい句です。
切なさよ我が子と会えぬ冬休み
マヤ
盆と正月はテレビの報道の様に多くの人が故郷を目指すし、束の間の親子の情愛を温める。それが昔からの人の心でもある。それが出来ないというのは親として何より哀しい。切々の句です。
一部屋に家族かたまる冬休み
アベ
冬の帰省は寒いので炬燵を囲み食事や団欒が楽しい。ことに田舎では大広間に親族集まって飲み会が一日続くこともある。豪華な料理より煮しめや郷の名物が良い。明るい家族を思う句。
雪だるま孫と作れる冬休み
オノ
この鹿島潮来はあまり雪は降らないが、秋田、新潟、青森などは雪が多い。正月の帰省に雪達磨を作るのも老いの楽しみ、また雪合戦も懐かしく思う句です。
冬休み動物達は山籠り
クマ
冬になると熊、蛇、蛙などは冬眠するが、最近は冬の気温が高く熊など出て来たりする。人間の冬休みを動物の山籠りに詠んだのが哀憐の心温もる句です。
寒天も諏訪湖も凍みる星の空
くそじじ
寒天は天草を煮たトコロテンを凍みさせ干して作る。江戸時代に棄てたトコロテンが凍みて寒天状に成ったのが始めと言い、寒の天気に干すのでこの名があると言う。長野県の茅野市の寒天が名高い。「茅野原や寒天干さる峰日差し」が私にあり、旅の日が懐かしい。