2016年7月の句
海開き
幼な日の兄の手解き海開き
あべ
兄弟や姉妹は遊びにも喧嘩にも一番身近で思い出深い。歳を重ねた今も海開きの頃兄から泳ぎ方など習った事を思い懐かしい。私は川にも海にも近く友と遊びましたが、兄は亡くしたのでこの句を特別に微笑ましく思います。
海開き行くも波乗り道路かな
みく
波乗り道路は千葉県一宮町から九十九里町の約十七キロで、海の波の見える如何にもその名に相応しい道路。その何処かの海開きに参加する、窓に見える海に心も弾むし、寄せる波に乗った思いにもなる楽しい句です。
花火待つ港の闇に誰も向き
ユウ子
横浜など都会の港は船や街の燈で明るいが、大洗や銚子港などは暗い。その港の揚花火を今か今かと待つ、また、港に限らずこの小見川や鹿島の花火も土手や畦道の暗がりから待つ。少し田舎を思う実感の句です。
海開き幼き友に会うことも
おの
この鹿島、波崎、大洗など今は高速道が整備されたので東京などから多くの人が参加出来る様になった。思わぬ処で知人や幼い頃の友に遇う、共に裸の姿で昔を語るのも面白く実感の句です。
海開きサメよ今年は来ないでね
しげ
鮫は約五百種類で其の内三十種が人を襲い、特にホホジロ鮫、イタチ鮫は凶暴とも。昨年は大竹海岸に現れたので海水浴場は閉鎖になった。今年はまだ判らぬが、来ないでと願うしかない。大きく思えばこれも大自然の出来事の句。
押し寄せて子等の歓声海開き
ゆたか
湘南の海は若者も多いが、この鹿島などでは子供達が多いかも、神事の後に歓声を上げて駆け出すのはやはり子供達で、元気な声は明るく微笑ましい。子の日が懐かしい句。
早起きの散歩がてらに夏の浜
まさる
海の近くに住んだり海の旅などでは早起きして散歩などする人の少ない朝は清々しく快い。この鹿島の浜は何処までも続き少しのロマンにも浸る句です。
海開き今年のゆかりんビキニかな
けん
ゆかりん、は孫さんか。昨年はまだ中学生だったが今年は高校生?大胆にビキニの姿でやって来るかも。特に都会の子はアイドルなど真似た水着で驚かす。明るい乙女を思う句。
潮騒と入道雲に海開き
ぴー
海開きの日が必ずしも晴天ではなく、止む得ず小雨の中で行うのをテレビで見ますが、この鹿島灘では十六日が海開き、この句の様な晴天の海開きを祈りたい句でもあります。