2014年7月の句
夏祭り
若衆の さらし褌 山車回し
かっちゃん
山車は山の神の代わりで古事記にも大国主を祀る青葉山として記されているが、時代の移りに今の様な形式になり勇壮に山車回しなどが行われる。今では半被など着ているのが多いが、以前はさらし褌にねじり鉢巻の若者が威勢よく参加した。岸和田の壇尻回しは怪我人が出るほど有名。夏祭らしい句。
夏祭り 神輿見たいと 肩車
コバ
平安時代には祭は京都の葵祭を夏祭と云ったが、夏は疫病や虫害、水害の多い時期なのでこれらを神の力で抑えるために祈りを込めて祀る様になり今の祭になった。その神輿をもっと見たいと子供にせがまれての肩車、微笑ましく懐かしい句です。
孫たちが故郷に帰る夏祭
オノ
日本では盆正月には大渋滞になるほどに帰省があるがこれも一つの風物詩と云える。それだけに地方から都会に出ている訳でもあり私の郷は日本一過疎化県でもある。しかし老いの身には孫の顔を見るのが何よりの土産かも。実感の句です。
夏祭エイサーアイサ那覇の街
マッシー
原句は少し変えましたが、これで沖縄のエイサー踊りの詠になります。エイサーは昔の沖縄の浄土宗の念仏歌のことでそれが踊りになって今に伝わり、現代風に変わった、鼓を腰に打ちながらの練りは壮観。
花火より屋台気になる子供達
きこ
この水郷や利根川沿いには花火大会も多く夏の名物でもある、その花火見物も子供等には始めの間は綺麗だなどと歓声をあげるがその内に屋台の食べ物が気になる如何にも子供の好きそうな物もある。微笑ましい句です。
浴衣着のおくれ毛愛し夏祭り
鬼
女性の着物姿はいつでも綺麗だが浴衣姿は特別に美しく憧れでもある、一時はその姿も減ったが最近は外国人の観光用にも宣伝している。夏祭りなどで少しおくれ毛の見える娘さんなどは可愛く愛しく見えて艶冶(えんや)の句です。
千鳥足酔ふてもみたし夏まつり
ユタカ
酒を飲むのは夏だけではないが夏のビールはやはり美味い、仕事や遊びに大汗を流した後の一杯は身に沁みるが、それだけにまた飲みすぎることにもなる。作者の立場経験からは願望の一句かも知れない。