2014年5月の句
初夏
初夏の風のウェディングドレスかな
シ マ
初夏の日の結婚式か、式の後で庭園などで記念写真を撮る。その間も白のドレスが風になびく、花嫁の笑顔と共に清々しい景で、初夏の季語が女性を太陽に例えるに相応しい句です。
筑波嶺の雲に雲湧く夏来たり
あ べ
筑波山は古くから名山と知られ風土記にも歌会の山として記されているし、今でも四季を通じて多くの人が訪ねる、その嶺に雲が湧く夏が来た、夏の雲は入道雲とも云う、大景の句で広い平野も想う。また、「田植え唄いまも懐かし里訛り」も佳句。
晴天や藤の足利日本一
オ ノ
藤の日本一の定義は難しいが、足利フラワーパークの藤は樹齢百四十年、花の広さは六百畳に及ぶ、又藤の花のトンネルも八百米など日本一に相応しい。長く垂れた花房が風に揺れるのも美しい句です。
初夏の早や水遊び子供達
ミ ヤ
子供は何故か水遊びが好きで夏でなくても雨の後の水溜りなどがあると遊ぶ、思い出せば自分も幼い時は家の前の小川で遊んだのが懐かしい句です。
北浦の穀雨となりし昨日今日
ジュン
穀雨は二十四節季の一つで陽暦四月二十日頃、暖かい雨に物の芽や種の 芽が出て百穀を生ずる意。北浦の田も耕しが始まり早い所は田植えも始まる、農耕のみならず命の水を思う句です。
夕涼み浴衣姿の乙女子ら
ポ チ
一時期浴衣姿は少なくなったが、最近では外人観光客や東京などでは若い女の子に人気で良く見かける。夕涼みの浴衣姿は風情と共に恋心を思う句です。
初夏の初めて買ひしナイキ靴
ユタカ
ナイキと云えばスポーツシューズを思いますが、若い頃はスポーツ、年配なら散歩用などで、初夏の訪れに靴を買い何処かへ出掛ける思いに心弾む句です。