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俳句集

2022年03月の句

雛祭り

選者 桐本石見

祖母囲む五人囃子か男の子孫

エイちゃん

雛祭は平安時代の宮中などの女児の雛遊びが、厄除けと子の成育を祈願する行事になったとも。五人囃子は、謡、笛、小鼓、大鼓、大太鼓。祖母を囲む男の孫さんも賑やかで、五人囃子と言うのも微笑ましく、昔の子沢山を思う明るい句。因みに今様の壇飾りは江戸時代からとも言われる。

雛納めちゃんとしたのに嫁かず後家

ゆっきー

雛飾りは立春の頃から雛祭りの三月三日の後の六日頃が良い、とされる、理由は、遅くなると嫁にいけないなどの謂れがあるが、女の子は片付けも躾けの一つとも言う教えでもある。縁づくのは色々の要素があるが、この句も少しの憂いを思う。

平和てふ願ひはひとつ令和雛

ユタカ

雛祭は女児の成長祈願と厄除けの行事だが、合わせて家族の安寧も祈る。また昨今はコロナ禍により、国を挙げての防疫中で毎日の心も暗い中、思いも因らぬ戦争が始まった。諸々の素因は有るにしても、兎も角平和を祈りたい切々の句。また時代毎に室町、寛永、元禄雛などあるが、令和雛は如何な姿だろうか。

愛し子へ無理して揃ゆ雛飾り

オノ

何時の時代も親は、他所並に娘にも雛飾りを揃へてやりたいと思う、しかし家計はみな同じでない。それでも工面して揃え、娘の友達への見栄も叶える親心の籠る詠です。私の祖父が節句に古い鯉幟(こいのぼり)を揚げてくれたのも懐かしく思う句。

流しあの世へ侘びに行く思ひ

イッサ

雛流しは自分の身の穢れや怨霊を人形に託して川や海へ流す事。作者も自分の罪を悔い雛に託して流し、また亡き父母へ詫びる思いなのかも。身に沁む切々の句。因みに雛流しは源氏物語にもあり、鳥取県用瀬(もちがせ)町など名高い。

雛の日の祖母思い出すちらし寿司

めい

雛祭りには、白酒、蛤、菱餅、雛あられ、ちらし寿司、菜の花、桃の花など供える。ちらし寿司は華やいだ具材で家毎の祖母や母の味でもあり、故郷を思う懐かしい句。

お転婆もしゃなりしゃなりの雛祭り

ラク

雛祭りが現代の様になったのは、戦も無くなった江戸時代と言われ、平和の象徴でもある。明治以前は旧暦で今の四月初めで桃も咲き春らしい。お転婆娘も綺麗な晴着で可愛らしい、微笑ましく明るい句。

幼な日の娘ぞ想ふ雛かな

いるか

雛人形は親王、内裏、官女、五人囃子、大臣、使丁などあり、夫々に趣きがあるが五人囃子などは親しく子供の元気な顔も彷彿する。子の日の昔を偲ぶしみじみした句。

嫁ぐ朝娘最後の雛祭り

シゲ

雛祭は女子の成育と病魔などの穢れを祓う行事なので、結婚すると行わないが現代では春を迎える思いに飾る家や桜川市真壁町の様に観光もある(コロナ禍で三年連続して中止に)。嫁ぐ日は祝いと別れと親には悲喜こもごもの一日でしみじみした句。

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