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俳句集

2019年11月の句

菊の花

選者 桐本石見

菊人形まだ姫なのか武士なのか

ヒロ

菊は平安時代に中国から伝わり貴族などが薬草としたり鑑賞もした、後鳥羽上皇が調度品の文様にされたので皇室の家紋にもなった。江戸時代に品種改良も進み懸崖菊や人形などの飾りにもなった。菊師が人形を飾るがまだ姫か武士かの途中である、出来上がりを想像させて面白い如実の句で完成の姿が待たれる。

神々し祝賀の御列菊御紋

オノ

台風の影響で日延べになった祝賀御列の儀は十一月十日好天に恵まれ十二万余の祝いの中行われた。昔は馬車だが今は黒塗りのオープンカー。しかし菊の御紋に神々しく思う。因みに令和天皇は神武天皇から百二十六代目で永い日本の歴史を思います。

海へ出て鰯となりぬ秋の雲

ゆたか

秋の雲は薄絹の様なものから鱗雲など少しの寂しさのあるものが多い、ことに鱗雲は微風の空に湧く様に広がる、下津の浜などの散歩か、陸からの雲が海空に広がり鰯雲になった。海も凪で静かな一時で少しのペイソスと大景を思う句です。

華やかにどこか寂し気菊の花

れいこ

菊は今では六千種以上もあると言われ切花としても一番多い。しかし仏花や葬儀の供華として使われるのでどこか寂しい気もする。色も香りも姿も楚々として気品があり眺めると心も和む実感の句です。

息栖宮菊の香の中吉をひく

一郎

息栖神社は鹿島香取神宮に並ぶ東国三社の一つで古事記の時代から尊敬が厚い。秋の芸術祭の頃参道に菊花展が奉納される。その菊の香るなかで御神籤を引いたら吉が出たのだ。目出度い句で微笑ましい。

また一人仲間旅立つ菊の花

シゲ

人の訃報は毎日の新聞に絶えないが、会社や施設などの仲間の訃報は身に沁みる。歳を重ねると多くの生死に遭う訳で我が身も思い菊花に冥福を祈る句です。

日の沈むまでの一本菊眺む

アベ

菊は懸崖や三本立て、一本立てなどの鉢植えで展示されますがその一鉢の菊を日暮まで眺めるのも趣があります。白菊も色菊も日の移りに微妙にその色を変えるので菊好きの人は眺めて居ても飽きない。実感の句です。「日に応ふ一つの色の藪柑子」石見があり懐かしい。

大輪に咲ひて靜けき菊の花

レモン

花には向日葵(ひまわり)の様に明るいのと菫(すみれ)の様に寂しいのや色によっても趣きが異なります、菊も大輪、小菊、黄色白、紫などありますが大きく咲いても気品のあるのが菊の花で香りも僅かなのが良いと言えます。

道野辺にひそと咲きたる野菊かな

チャコ

野菊と言う菊の種類はないが、嫁菜、野紺菊、山白菊などの総称を野菊と言い、淡紫、黄、白色などの可憐な花をつける。栽培品種の菊は六千種もあるが、散歩や山旅に遇う野菊には心和む句です。

菊人形君似と思ひ涙せむ

アオ

菊人形は時代劇の主人公などが多いが、例えば義経の静御前の顔などは作者の元の恋人か妻に似ているのかも知れない。菊人形を眺めているとつい思い出して涙をしたのかも。しみじみした思いの句です。

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