薬物依存症、アルコール依存症からの回復をサポートするリハビリテーション施設 潮騒ジョブトレーニングセンター

俳句集

2018年4月の句

卒業

選者 桐本石見

子に譲り農事作業を卒業す

あべ

卒業は学業等の事が一般的だが、人生の節目も卒業と言える。近年は農林業、漁業などは後継者難で荒れる田畑山林も多いが、子が後を継いでくれるのは嬉しい。先祖の田畑を守り継いだ安堵と老齢の身を思う句です。

卒業や子離れのまた親離れ

まこ

動物の生態テレビなどで親鳥が子鳥に餌を運ばなくなるシーンがあります。人間社会も同じで成人になれば仕事に就き、早いうちに結婚し独立してもらいたいのが一般的な思い。しかし諸々の事情で子離れ親離れが出来ず、歳を重ねると双方に不幸の生じる事もある。卒業は祝いだが、別れの時期でもある、しみじみした句。

両の目に光の戻り春霞

ゆたか

作者には以前「右の目の術後眩しや冬日向」があり、今回は左目の手術で両眼で物が見える様になった感動の詠でもあり目出度い。伊達政宗は隻眼でも時勢が見えると自負したと言われるが、両眼の見える作者には益々の活躍をお願いしたい。また老いには少しずつ病が忍び寄る思いの句でもあります。

百歳へ踏み出す六十路卒業す

ひろ

人生の中で学校の卒業と定年は大きな節目で感慨深い。ことに六十歳の定年は人生も半ばを思い、希望と自由の身に百歳への第二の人生を目指す。面白い俳諧の句です。

卒業や一生友よと誓い合ひ

みく

中高校生にもなると、友人としての絆も深く別れの辛さも格別。ことに遠方の学校へ進学や親の転勤で別れる子達の別れは悲しく、生涯の友の誓いもする。青春時代が懐かしい句です。就職で故郷を離れた日を思います。

制服のボタンを貰ひ卒業す

いるか

戦中出征時に彼女へ胸に近い第二釦をプレゼントしたのが始まりとも。また岐阜県斐太(ひだ)高校では大正の頃から白線流しがあり、女子はスカーフを男子は帽子の白線を外して繋げ、近くの大八賀川へ流すのが名高い。初恋など思い出す句で懐かしい。

高齢者運転免許卒業す

おの

現代は自動車社会だが高齢者の事故も多い。各種の検査で危険と判れば返納が良いが、田舎町では自動車が無いと不便でもある。実感の句で私もそのうちに、と思います。

卒業と入学式は花の中

文秋

以前、大学の入学は外国にならい秋が検討されたが、桜の頃を思う人が多く現状のままである。校庭や道辺の桜の花に送られ迎えられるのは日本人の風雅心でもあるが、寒中や雪の頃の受験も難儀で一考を思い、子の日を懐かしむ句。

離れ居て子の卒業に涙せむ

ゆうこ

現代は離婚や家庭の事情で親子離れて暮らす家庭も多く、子供には可哀想な出来事で人間社会の不幸の一つでもある。遠く離れていても無事卒業した知らせに親の責任を思い涙する。私も戦争遺児で切々の思いの句です。

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