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俳句集

2017年5月の句

更衣

選者 桐本石見

大人へと更衣する孫娘

じじい

更衣(ころもがえ)は平安時代に旧暦四月と十月に、江戸時代は年に四回に定められ、民間にも広まった。今では夏と秋が一般的で期日も変わるし、若者や女性のファション的な彩も美しく、乙女達の大人かと思うほど艶冶(えんや)の夏服もある。孫娘に大人を思う微笑ましい句。因みに更衣(こうい)は昔に天皇の着替えの手伝いの役職名。

新しき生き方定む更衣

しげ

織田信長が好んで舞った「敦盛」に、人間五十年、化天の内を比ぶれば、夢幻の如くなり(中略)があり、この時代は平均五十年余の寿命だが今は八十年余で、その間の生き方も諸々である。思えば戦争、豪雨台風、地震、また交通事故、産業災害、自身の欲に勝って生きて行かねばならない。更衣の様に生き方への決心の句。

欲棄てて心身軽き更衣

ゆたか

人間には五大欲があり細かくは百八、更に言えば八万四千の欲煩悩があると仏教では言う。それは人も動物も生き繋ぐ為に必要なことながら、度が過ぎると敵もつくり身も亡ぼすことになる、齢も重ね詩歌山河に遊ぶ境地に達すれば夏秋の更衣もまた楽しい。老境の句。

今年また白髪の増えぬ更衣

こば

更衣も若い頃は流行の服で心も身も弾む。歳を重ねて夏の服に替えると少しは若返る思いもあるが、鏡に白髪の増えたのを見ると歳を思う。女性は髪を染め服も若向きにすれば歳も隠せるが、男はそうもゆかない。俳諧の句です。

衣替え自分色よりあなた色

歌謡にも、貴方の色に染まる…などと歌われますが、若い頃は服装や色柄も思う人の好みに合わせる。また若い時は、どんな物を着ても案外に似合う。それが若さでもあり、私にも昔が懐かしい句です。

更衣今朝の眩しき女学生

あべ

更衣は官庁や学校などでは六月に行い、都会の通勤通学の景も晴れやかになる。ことに女学生達の紺と白の制服は清々しく、夏来るを思う。学生の頃が懐かしい句です。

愛おしやペアールックの更衣

あお

親子、兄弟、姉妹、恋人などで同じ色や柄の服を着ているのを良く見掛けますが、仲良しそうで微笑ましい。今では色もデザインも自由なので都会では驚く様な服装を見ますが、姉妹らしいのを見掛けると愛らしくも思う明るい句です。

更衣今年もこれが着れるかな

ひろ

子供の頃は兄姉のお下がりであったりして、寸法が合わない心配もありますが、大人では太ったり、余りにも古いなどで着れないのもあります。好きな服には愛着もある実感の句。

独り身の買い物帰り夏の月

なかもり

買い物は日常の事だが、男が食品や下着など買うのはどこか寂しい思いがあります。「蛸壷や儚(はかな)き夢を夏の月」(芭蕉)を思う少しの哀れを込めた男の句でもあります。

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