2017年11月の句
運動会
運動会校舎に響く応援歌
めい
今では運動会は六月頃も行われるが、俳句では秋の季語。晴天の校庭で応援合戦でもしているのか、校舎に響くほどの声で歌う子供達の元気な姿を彷彿する句です。最近は子供達の声が喧(やかま)しいなどと言われるが、子の声ほど元気付けられるものは他には有りません。
音花火待ちゐる今日の運動会
ゆうこ
今では天気予報の当たりも多いが、それでも運動会の朝は天気が心配、開催の知らせの音花火が聞こえると、子供も親も勇んで出かける。昔の田舎ではサイレンで知らせたのが懐かしく、また気をもむ実感の句です。
好きな娘と一緒に走る運動会
じじい
中学生にもなると初恋も芽生えて、運動会で走る時やダンスなどでは手をつなぐこともあり、胸をときめかす。私も部活で好きな子がいて楽しい日々だったし、それらを同窓会などで語り合うのも懐かしい思い出の句です。
運動会シャッターチャンスのゴール前
みく
運動会では夫々に元気な子の姿を見ますが、ことにゴール前では子も応援の親も力が入る。それらを合わせて写真のチャンスでもあり記念のメモリーで実感の句です。また「フライング焦る気持ちの運動会」も佳句。
親と子の二人三脚運動会
こば
小学生では親に引きずられて走るのを見ますが、中学生で男子なら対等に走れるし、親にとっては頼もしく思う時でもあります。最近は子供の事件も多いが、運動会などを通じても親子が睦合いたいものです。
村中の子供出てきて運動会
あべ
村と言えば小中学校で、そこでの運動会は祭りの様なものでことに小学校は賑わう。今では千人に満たない村が運営に苦慮する時代だが、運動会ともなると村中の子も人も参加して家族的でもあるが、過疎化や昔の郷を思う句です。
子供より親の張り切る運動会
ひろ
幼稚園や小学校の運動会などでは、子に親の強さを見せたい思いから張り切るが、普段の練習不足は否めず転んだりもするし、中学生ともなると恥ずかしいと言われたりする。
運動会孫がリレーに選ばるる
おの
クラス対抗や地区対抗の競技に孫が選ばれると親には嬉しいが、負けずに走れるかと心配でもある。まして孫ともなれば祖父母には気ももめるし、大役を果たすと褒美に何か買って上げたい思いにもなる。実感の微笑ましい句です。
藷堀りや小さき藷とて子等はしゃぐ
ゆたか
幼稚園や小学校などでは藷(いも)堀り、田植、果物狩りなどあるが、藷堀りは堀出す藷の大小や形にも歓声がわく。人には元々耕作する本能があるのかも。実感の微笑ましい句です。