2015年1月の句
初日
選者 桐本石見
初日浴び今年のパワー充電す
石田
人類の歴史も億年の中にありますが、有史以来太陽を神としている国は多い。日本も天照大御神や仏教でも大日如来などを崇め、また一日の生活も朝日と共に始まる。年の初めに身も心も清めて初日を浴びて一年の力にする。新年に相応しい元気な句です。
塩釜の復興祈る初日かな
オノ
塩釜は昔の製塩の竈のことで、その名を今も伝えて塩釜市となった。今では日本でも有数の漁業港でもあるが、先の大地震で甚大な被害に遭い復興の途次でもある。作者はこの地に縁があるのもかも。自分の事より塩釜の復興を祈る心の和む句です。
初日の出鷹も迎えて鹿島灘
鬼
日本は周囲が海の国ですが、その地域を表すのに浦、浜、 江、岬、湾、灘があり特徴を表現しています。灘は波の荒い所や海流の強い渡航に難しい所で、鹿島灘も昔は難所の海であった。初日に鷹の舞うのも鹿島灘に相応しい大景の句です。
遠見にも富士の眩しき初御空
コ バ
原句の初日を変えましたが、これで雪を着た初富士の大景の句になります。冬の晴れた日には三重県などからも見える富士は世界遺産にもなり、益々目出度く人の心を和ませます。
初明り利根の河岸なる大鳥居
ユタカ
利根川の鳥居は香取神宮の東と、息栖神社の前、また少し離れて大船津の鰐川にあります。昔から鹿島、香取、息栖の神は東国三社でも有名で、古事記の国譲りの使いの武神でもあります。初明りは新年の夜明けで利根川も雄大で鳥居もまた厳かに思える句です。