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俳句集

2016年9月の句

選者 桐本石見

満月に潮も満ちたる下津浜

みく

原句は少し変えましたが、これで煌々(こうこう)とした秋の満月に潮も満ちた下津の浜の景が目に浮かぶ詠になります。夏は海水浴で賑わう浜も静かな秋を迎えて青波や荒波が寄せますが、その沖に上がる月も雄大な眺めです。

稲刈りを終えて見上ぐる利根の月

コバ

利根川は群馬県三国山脈を水源に約三百キロ余りを流れ、銚子の太平洋に注ぐその間に水資源や多くの田畑を潤わせる。その利根沿いの稲刈りも終えて夕月を眺めるのは、心も安らぐ大景の句です。

何もなき故郷なれども月明り

あべ

作者の故郷は何処だろうか、取り立てて観光や史跡もないが山か海の里を秋の月が照らす。例えば高知の桂浜などは観月で賑わうが、この詠の様な景は今では過疎化の地に多く見られます。私の山国の郷を偲ぶ句でもあります。

約束を破りて月を見ないふり

ゆうこ

月見の約束か、逢う約束かも。夕べになり月も明るいが、約束を違えたので後ろめたさもあり、月も見ないで少しの後悔も思う面白い句です。

何となく辛き今宵や月を見る

めい

人の毎日は常の事を繰り返すのが多いが、時に辛い事や嬉しい事がある。夕べに一人月を眺めるのも心を癒すし、嬉しい時は更に心躍らせる。しみじみした句です。

弟をかばう姉ゐて月の道

あべ

叱られたか、喧嘩したのか、夕暮の道を姉に連れられて帰る微笑ましい景。今では田舎の日暮は子供も余り見掛けないが、祭りの夜などの昔を偲ぶ句で懐かしい。

世界がね繋がっている月を見て

かこ

月見をするのは中国や日本などアジア諸国が多いと言われるが、西欧もアメリカも収穫祭としてあるとも。同じ月を見て人類は繋がりもあるが戦もある。諸々の思いの句です。

何時見てもいいもんだよね三日月夜

まさる

月齢は三十日をかけて変化し夫々に趣がありますが、三日月は眉月、繊月(先せんげつ)などとも言い兜の飾りや旅館の名にも使われる。一般には満月に月見をしますが、他の月も美しい。

月明り昔の恋を語りけり

あお

これは男同士の酒席の詠かも、或いは月明りの散歩か、二人で初恋や大人の恋の話をする、遂げぬ恋、成就の恋夫々に昔を偲ぶ。月明りも句に相応しく切ない。

爺婆の薄茶汲み合ふ月夜かな

ゆたか

若い時は有名な所の月を見に車で遠出するのも楽しい。例えば、犬吠埼、五浦海岸など。しかし歳を重ねると、家の縁側から茶でも飲みながらの月見も良い。老夫婦の微笑ましい句。

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