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俳句集

2016年6月の句

選者 桐本石見

故里の土手ゆく蛍道しるべ

めい

今では蛍もあまり見掛けないが、以前は田川や小川の土手などを行くと多くの蛍が飛び交い、子供には幻想的な思いであった。もう十年か前に帰省して里の蛍を見ましたが、初恋の思い出など懐かしい句です。

蛍にも源氏平家や壇ノ浦

ひろ

今では小形耕耘機が発達して鍬で耕すのは少ないが、それでも家の近くの門畑や家庭菜園などでは鍬を使う。その畑を打つ人に近づいて鍬の音を聞くのも、句の作者も農家の経験があるのかも。旅やこの鹿嶋でも見れる光景だが、里も懐かしく、音を聞くに如実の実感日本には他にも宇治蛍、姫蛍、まど蛍、オバ蛍など約四十種の蛍がいると言われるが、大方は源氏、平家蛍である。源平以前は何蛍と言ったのか知れぬが、面白い名付けでもあります。その蛍を見ながら壇ノ浦に亡んだ平家を偲ぶ句でもあります。のある句です。

蛍火の思い出いまも一家族

おの

この近くで蛍を見れるのは、潮来の水原や牛堀の島崎である、句の作者の故郷は何処だろうか、子供達を連れて、蛍狩りに出掛けた日が懐かしい。今では遊びも多くあるが、こうした自然への触れ合いが心を癒す。懐かしく微笑ましい句でもあります。

蛍火に包まれ眠る家一つ

ひろ

家を包むほどの蛍はかなりの群れを想いますが、私の子供の頃の家は川の近くで、多くの蛍にそんな思いもしましたし、現実でなくも願望のメルヘンでもあります。また童話の国を思う句で里が懐かしい。

命亡き者の浮ぶや蛍川

もと

蛍は大きな川より小川や山川の清流に棲む。そこは又燈火も無く暗いが、蛍の火の映る流れにふと亡くなった人の顔を思い浮かべる。蛍には万葉集の様に恋の歌もあるが、こうした亡者への思いもある。

まぼろしの平家蛍の舞ふ夜かな

こば

蛍には源氏と平家があり、今では源氏蛍が多いとも。その蛍の舞うを見ていると、鵯越、屋島、そして壇ノ浦に亡んだ平家の亡霊ならず蛍が舞う様にも思える、平家物語の哀れを偲ぶ句でもあります。

夏蝶の己忘るる高さかな

いち

蝶は俳句では春の季語だが、季を冠り夏、秋、冬にも配する。中でも夏は飛びも高く活動的でもある、その蝶が自分を忘れる高さまで舞上るのも面白い表現で、夏の晴天や登山をした思いの句です。

風呂上りむかし蛍の門辺かな

とじ

今では家の近くで蛍が見れる所は少ないが、昔の里では句の様な光景でもあった。また蚊も出るのでぼろ切れで蚊取り線香の代りに燻ぶらせたりもした。懐かしい句です。

蛍火や遊び暮たる印旛沼

みく

印旛沼は昔はW形の沼だったが、江戸時代に利根川が今の流れに変更された後洪水で難渋した。そこで干拓と江戸湾への放水路を計画したが、完成したのは昭和四十四年と伝わる。佐倉宗吾と甚平衛渡しなど名高い。夕べまでそこに遊び蛍も見れたのか、私にも懐かしい句。

蛍火や音無き闇の声を聞く

ゆたか

虫や鳥が飛べば少しは羽音もするかもしれないが、人には聞こえないほど小さいかも。闇に飛ぶ蛍はどんな羽音であろうか、少しのメルヘンを込めて面白い句です。

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