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俳句集

2014年11月の句

初冬

選者 桐本石見

ふて寝する初冬の朝犬が呼ぶ

カヤ

初冬の頃には朝が冷え込み寒さを感じもう少し布団に居たい思いもあるが、それよりも何か気まずい事があって寝たふりに布団にもぐる。その主人を犬が吠えて呼ぶのは如何にも俳諧の少し哀れも込めた面白い句です。

遙まで凛と初冬の鹿島灘

鹿島灘は波崎から大洗までの海岸で以前は白砂松林が約八十キロも続いていた。鹿島開発で分断されたがまだ多く残っています。波崎、下津、大竹海岸の海水浴も終り初冬の頃には遙まで青々とした何も無い沖が見える。凛と表現したところに初冬の大景の句です。

今宵より冷やから燗に変りけり

ヒロ

俳句では冷酒は夏、燗酒は冬を意味しますので、この詠は秋や冬になった句になります。原句は少し整理しましたがこれで充分に季節の変りが判り、今年も冬を迎える思いに晩酌の思いも込められています。

冬帽に似たる姿や遠筑波

ユタカ

筑波山は古来から歌会の山としても名高く今でも春や秋の行楽の人も多い。頂上は岩も多いが中腹より下は緑の山で夏の青葉、秋の紅葉も美しい。それでも冬を迎えると枯れ山となり遠くからは冬の帽子の様に見える大景の句です。

初冬の思いに掛け布重ねをり

カツミ

初冬は十一月十日頃だが、その頃は晴天の日も多いが朝夕は急に寒さを感じる、夜に寝る時間だと余計にそう思う。今宵は毛布でも重ねようかと思う、日常の実感のある句です。

初冬の中山峠蒸かし藷

長吉

中山峠は、北海道、青森、岩手、群馬県などにあるが、この峠は何処のだろうか。中でも北海 道の支笏洞爺国立公園内の中山峠は有名。昔は八キロの間に百三十箇所近くの曲りがあり、難所で事故も多くあったと云う。他の峠であっても休憩所に景色を見ながら蒸かし藷を食べるのは心が安らぐ句です。

年重ね寒さ身にしむ初冬かな

あべ

歳を取ると何事にも身にしむ思いがしますが、ことに寒さは体の動きも鈍くなり身にしむし、実年令より老いた思いにもなります、古来から若さも宝の一つと云いますが、その思いを深くするのも冬かも知れません。俳諧の哀れも込めた句です。

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