潮騒ジョブトレーニングセンター 用語解説
薬物依存症の民間回復施設、英語のDrug Addiction Rehabilitation Centerの頭文字をとった略称(DARC)。「薬物依存リハビリテーションセンター」が正式名称。薬物依存症者が薬物をやめるため、互いに助け合う民間団体。社会との中間施設に位置づけられるが、回復者の社会復帰支援とともにNAにつなげることも大事な目的のひとつ。国内には60を超える関連施設があり、横に連携しながら互いに独立採算制を取る。公的な支援を求めて法人化(大部分がNPO)傾向が目立つ。日本ダルク代表の近藤恒夫氏が創設した。
AAやNA、断酒会のような自助グループの集い(定例会)のこと。回復の原点であり、グループセラピー(集団療法)の一種とされる。話された内容は外部に持ち出さないことが原則。いわゆる「言いっぱなし」「聞きっぱなし」の原則が守られる。匿名性が重視され、参加者はアノニマスネーム(ニックネームのような呼称)で呼ばれる。
アルコホリック・アノニマス(無名のアルコール依存症者たち)。1935年に米国で証券マンのビルと医師のボブの出会いから始まり、世界に広がった飲酒問題を解決したいと願う相互援助の集まり。今日の依存症からの回復治療の原点に位置づけられる。宗教ではなく、どんな団体、政党、組織にも縛られない。市民運動や社会問題についても意見を持たず、どのような論争や運動にも参加しないし支持も反対もしない。職業紹介、法律相談、資金援助、精神科治療や医療サービスなども行わない。
ナルコティクス・アノニマス(無名の薬物依存症者たち)。薬物依存症という病気から回復することを目的として集まった薬物依存症者本人による自助グループのこと。AAの回復プログラムを応用し、同じスタンスを取る。NAのメンバーになるために必要なことはただ一つ、「薬物をやめたい」という願いだけ。薬物依存症者であれば誰でもメンバーになれる。会費もないし、料金を払う必要もない。ミーティングは自分たちの献金だけで運営され、完全に自立している。無名なので本名や仕事などを明かす必要はない。
依存症回復の指針となる生き方のプログラム。アルコール問題依存症なら、飲酒のために混乱した病的な感情を整理し、人間関係を修復しながら、一人の人間として成長していくことを目指したプログラム。「生き方のプログラム」「成長のためのプログラム」と言われる。
(AAの12のステップ)
霊的な、の意味。スピリチュアリティーとは依存症者と周囲の人を結び付け、生きる希望と意味をもたらす不思議な、人間の手に触れることのできない力を感じること。日本人の感性からは違和感もあるが、仏教でいうなら一種の「悟り」の境地。ただし、辛苦して修行を積むようなものではない。TVなどで取り上げられるオカルト的なムーブメントや意味合いとも異なる。
12ステップ・プログラムの中で、自分自身の力を超えたより大きな力のこと。それぞれが信じる神、あるいは偉大な力をいう。自分の意志や努力では依存症を克服できなかった(=無力を認める)ことから、ハイヤーパワーに自分を委ねて回復していく。日本で古来から信じられてきた自然神(八百万の神)の世界に通じる。
再飲酒や薬物の再使用のこと。リラプスとも言う。
自分と同じ悩みや問題を抱える他者を援助することで、自分の回復を図ることを目的とした集まり。治療者や指導者という関係はなく、同じ境遇にいる対等な仲間同士がサポートし合う関係で成り立っている。
人が何かの対象にハマってしまい、それにおぼれてしまう状態を指す。その人をコントロールしてしまい、その人の持つ価値観とは矛盾する行為をさせたり、考えさせたりする。次第に脅迫的になっていき、やがて病的な依存症に陥る。
薬物に限らず、何かに対してアディクションを持つ依存症者のこと。
自助グループの中で行われる当事者同士の支え合いと、医療機関をはじめとした援助者の専門的な働きが統合したもの。ダルクなどがそれに当たる。当事者と援助者が対等な関係で成り立っており、そうなるように工夫がされている。